特番 胎蔵大日如来
霊感寺は出雲国十三仏霊場会45周年記念に際し、特番として十七回忌本尊胎蔵大日如来を祀り霊場会入りをしました。大日如来は真言密教の根本仏であり、「胎蔵」とは母親の胎内で命が育まれるように、宇宙の万物が大日如来の中に包み込まれている様を意味します。この仏様の慈悲の力は広大無辺に拡がり、まるで蓮の種が芽吹き開華し、そして実を結んでゆくように、私たちの心の中に存在する菩提心を育て、悟りの世界へ導いてくださいます。十三回忌本尊の金剛界大日如来が「智拳印」を結んでおられるのに対し、胎蔵大日如来は膝上で左の掌の上に右の掌をかさね左右の親指の先を合わせ支える「法界定印」を結んでおられます。
霊感寺
当山は初め観音寺と称され富田城下にあったが、松江城築城の際に楽山奥に移転された。寛文元年(1661)松平綱隆公が楽山に山荘を構えるにあたって、麓の現地に移し建立にかかり祈願所とされた。學祐上人を請じ開山、寛文6年寺号を霊感寺にあらためた。
本尊は聖観世音菩薩で、聖観音像には珍しく定印を結んだ坐像の形をとる。江戸期の出雲国島根郡(松江市の宍道湖中海以北、佐太川以東)に島根札と呼ばれる観音霊場があり、当山は八番札所として信仰された。現在九番円通堂(本尊 如意輪観音)、十番松楽堂(本尊 白衣観音)は堂跡のみとなり、両本尊は当山本堂に安置されている。
- 聖観世音菩薩
- 學祐上人