特番 愛染明王(あいぜんみょうおう)

寺は出雲國十三仏霊場会25周年記念法会の際に特番として愛染明王を祀る事により霊場会入りをしました。愛染明王は25回忌と50回忌の本尊であります。仏教では『愛』は欲であり際限のないものとされ、執着を生み、煩悩(私たちの心を悩ます元)のひとつとされています。しかし、真言宗の教えでは『愛』は人々を助ける為の力(原動力)としています。そして愛染明王の『愛』には、自己中心的な考えに染まらず、誰かの為に行動したい、何かをしてあげたいという思いを起こさせる力があります。
 そのお姿は、愛(人々を助けたいという願い)の強さを赤色で示し、悟りを開きたいという心の強さを背後の日輪で表しています。また、三つの目と六本の腕、お顔は憤怒の形相をして悪いものから人々を守り、仏教や密教の教えを守らないものが居ないか見守っておられ、怒ったお顔は反対に慈愛の強さでもあるのです。六本の手には様々な仏具を持っておられますが、中でも天弓は珍しく、高野山愛染堂の明王は弓を天に向け人々を助けることだけを祈っておられます。
 ちなみに、当山住職はこの愛染明王をお祀りして一年後に、良縁に恵まれました。やはり困っている人を助けてくれるのでしょうか・・・。

御真言
おんまからぎゃ ばぞろしゅうにしゃ ばざら さとばじゃく うんばん こく
御詠歌
諸厄も 救わせ給う 愛染尊 仏の妙縁 あらたなりけり
  • 愛染明王

宗昌寺(そうしょうじ)

宗昌寺は東出雲町下意東にある小高い丘の東南にあり、中海と遥か前方に伯耆大山を望む、眺望に富んだ場所にあります。寛永年中に堀尾忠晴の家臣である田中幸兵衛宗昌が、堀尾氏が絶家した後に、ここ意東を安住の地として住まいしました。観自在菩薩を信仰して普門圓通(全てのことに通じ達すること。考え方や行動がとらわれることなく自由であること。悟りの境地。)の意味を以て山号を圓通山と号し、宗昌の二字を以て寺号とした由縁であります。本尊は行基作と伝えられる十一面観音の座像で文字通り頭上に十面の小さなお顔をつけ、本面と併せて十一面とする仏様です。あらゆる方向を見て、どこかに困っている人はいないかと注意を払っている証であり、観世音菩薩の別名でもあります。また、慈悲と愛を持ち、33の姿に変化して、あらゆる人々の苦しみに応じて救済にあたる仏様でもあります。そのうちひとつが十一面観音様なのです。
 当寺は毎年11月20日の『光明真言法会』という古くから伝わる供養会や、『除夜の鐘突き』、2月3日に行われる『節分護摩祈祷』などを執り行っており、古くから意東に住まいする方々の心の拠り所となっております。堀尾氏絶家後に建立されたお寺なので歴史は四百年ほどの若いお寺ですが地域の方々に護持されてきました。

ご本尊
十一面観音菩薩
開基
田中幸兵衛宗昌
  • 本堂
弘法大師像 大師堂

アクセス

寺院名
圓通山 宗昌寺そうしょうじ
住所
〒699-0102
島根県松江市東出雲町下意東435
電話
0852-52-5257
駐車場
普通車20台、マイクロバス可、大型バス車道通行不可
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